連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(84)
終末期における小児緩和薬物療法への病棟薬剤師の関わり
宮口美由紀
1
,
岡本陽香
1
,
千葉幹夫
2
,
寺田智祐
3
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部
2滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部教授/薬剤部長
3滋賀医科大学医学部附属病院緩和ケアチーム
pp.1231-1234
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404149
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終末期の小児がん患者における疼痛コントロールや症状管理は,患児や家族ならびに医療従事者にとって最も重要な課題の一つである。しかし,小児は疼痛の評価が困難である上に,臨床の現場で終末期の小児がん患者に携わる機会は少ないため,疼痛管理に難渋する。終末期の小児がん患者の緩和薬物療法には,適切な薬剤・投与経路,患児の痛みに応じた投与量の選択が必要である。病棟薬剤師は小児特有の痛みや表現を理解した上で,家族・医師・看護師へ情報提供を行い,薬の専門家として積極的に介入していかなければならない。また,家族の気持ちに寄り添った症状コントロールができるように,多職種が連携を取りながら取り組むことが重要である。