連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(119)
早期からの緩和ケア~治療期から終末期までシームレスな薬剤師の関わり~
神林祐子
1
1京都府立医科大学附属病院 薬剤部/疼痛緩和医療部(緩和ケアセンター)/化学療法部
pp.2327-2332
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710143
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本邦では,2007年4月に施行された「がん対策基本法」において,「早期からの緩和ケア」が謳われている。2008年には,緩和ケア診療加算の要件として,緩和ケアの経験を有する薬剤師がチームに所属していることが義務づけられた。さらに,2012年に設置された外来緩和ケア管理料の算定条件にも薬剤師の配置が明記されており,薬剤師が入院・外来を問わず適切な薬物療法に関与していくことが求められている。近年では,経口抗がん剤や支持療法の進歩により,化学療法は外来へ移行している。京都府立医科大学附属病院では,2014年にがん患者指導管理料3が設置されたことを契機に,外来がん患者への指導管理を開始した。
本稿では,治療期から終末期までシームレスな薬剤師の関わりにおいて,事例も交えて,薬剤師が“早期からの緩和ケア”で果たす役割について述べる。