連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(92)
がん化学療法起因の口内炎に対する病棟薬剤師の関わり
石倉久美子
1
,
宮尾美佐欣
1
,
松浦仁志
1
1社会福祉法人 四天王寺福祉事業団 四天王寺病院 薬局
pp.783-787
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502783
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がん化学療法中の口内炎発生は,使用する抗がん剤の種類によって差はあるが,比較的発生頻度の高い副作用である。口内炎は患者に苦痛をもたらし,摂食障害やコミュニケーション機能の低下など,QOL(quality of life)に大きな影響を与える一因となっている。入院中の血液がん疾患における抗がん剤化学療法中に発生した口内炎に対して,病棟担当薬剤師が介入,半夏瀉心湯局所療法の処方提案を行った症例について,調査期間中に14例が集積された。うち症状改善は50%,不変は29%,脱落例は21%,症状悪化例はなかった。がん化学療法起因の口内炎に対して,半夏瀉心湯局所療法は有効な選択肢になり得るのではないかと考える。