連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I .院内製剤(66)
院内製剤0.5%アルベカシン点眼液の安定性を中心とした検討
石崎健一
1
,
村松博
1
,
山口雅也
1
,
河村俊一
1
1慶應義塾大学病院薬剤部
pp.1025-1028
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201403145
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慶應義塾大学病院では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)眼感染症が認められた症例や難治性の感染症に対し,院内製剤0.5%アルベカシン点眼液(ABK点眼液)を使用するケースがある。ABK点眼液はさまざまな施設で調製されているにも関わらず,安定性に関する報告は少ない。そのため当院では,患者に安全な薬剤を提供するために,製剤学的評価を行い,保存条件・使用期限の設定を行った。本剤を4℃遮光,25℃室温,40℃遮光の保存条件下で6カ月間保存した結果,4℃遮光下のものが95.6%と最も安定であった。また,各保存条件下の無菌試験においても6カ月間にわたり菌の出現は認められなかった。これらのことから本剤は4℃遮光下で6カ月間有効性が保たれる院内製剤であることが明らかとなった。