連載 連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わり PART I .院内製剤(71)
口腔粘膜炎に対するインドメタシン噴霧製剤の安定性
百賢二
1
1筑波大学附属病院薬剤部・病院講師
pp.2897-2902
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201412143
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インドメタシン噴霧製剤は,0.25%の濃度に調製したインドメタシン水溶液を,スプレー容器に充填した院内製剤である。本製剤は,化学療法または放射線療法の副作用として発症する重篤な口腔粘膜炎の疼痛緩和に用いられ,オピオイド等で十分な鎮痛効果が得られない患者においても有効であると報告されている。一方で,本製剤の調製は,約2時間かかるため,院内製剤の中でも比較的労力を要するものの一つである。さらに本製剤の使用期限は,濃度の異なるインドメタシン水溶液の安定性試験の結果に基づき冷所で1カ月と規定している施設が多く,院内における安定供給のための作り置き等は現実的でない。 そこで今回,本製剤の適切な保管条件に関する情報についてまとめた。その結果,室温(25℃)保管が難しい一方で,冷所(4℃)保管では2カ月間,冷凍(−20℃)保管では少なくとも18カ月間安定であることが明らかになった。