今月の主題 TDMの臨床応用
各論:応用の具体例
感染症:バンコマイシン,アルベカシン―MRSAを中心として
河波 秀旭
1
,
結城 祥充
2
,
唯野 貢司
3
,
高橋 保志
4
Hideaki KAWANAMI
1
,
Yoshimitsu YUHKI
2
,
Kohji TADANO
3
,
Yasushi TAKAHASHI
4
1市立札幌病院薬剤部
2市立札幌病院薬剤部・薬品情報
3市立札幌病院薬剤部・薬剤課
4市立札幌病院薬剤部・薬剤部
キーワード:
感染症
,
バンコマイシン
,
アルベカシン
,
腎毒性
,
聴覚障害
Keyword:
感染症
,
バンコマイシン
,
アルベカシン
,
腎毒性
,
聴覚障害
pp.33-40
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903978
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近年,MRSAは易感染患者にとって厄介な院内感染の起因菌となっている.MRSA感染の治療に用いられる,グリコペプチド系抗生物質であるバンコマイシン(Vancomycin;VCM)と,アミノグリコシド系抗生物質であるアルベカシン(Arbekacin; ABK)はMRSAに対し優れた抗菌力を示す.しかし,両薬剤とも副作用として聴覚障害,腎障害などが知られており,安全で有効な治療を行うには,治療薬物濃度モニタリング(TDM)を行う必要がある.
本稿では,バンコマイシンとアルベカシンの血中濃度の測定法,その特徴および実際の臨床への応用について述べることとする.
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