連載 薬剤師による処方設計〈22〉
抗がん剤投与による静脈炎発現に対する薬学的介入の効果
山田孝明
1
,
渡邊裕之
1
,
永田健一郎
1
,
江頭伸昭
2
1九州大学病院薬剤部
2九州大学病院薬剤部准教授
pp.1019-1023
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201403139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ビノレルビン(VNR)やエピルビシン(EPI)投与に伴う静脈炎は,重症化すると投与ルートの確保が困難になるだけでなく,治療奏功例においても薬剤の変更を余儀なくされるなど,臨床上重要な有害事象である。今回,VNRならびにEPIによる静脈炎の発現状況を調査し,発現に関連する要因について解析を行った。さらに解析結果に基づいて,静脈炎を予防するための投与方法を考案し,院内における投与レジメンの変更を医師に提案した。介入前後の静脈炎の発現抑制効果について評価した結果,VNRによる静脈炎の重症度の軽減,ならびにEPIによる静脈炎の発現頻度の低下が認められた。薬学的介入により,がん化学療法におけるリスクマネジメントに貢献できたと考えられる。