特集1 抗凝固薬療法の展望と課題
2.心房細動疾患における新規経口抗凝固薬(NOAC)の脳卒中一次予防効果
是恒之宏
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1独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センター・センター長
pp.673-681
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402673
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心房細動患者において,その予後を規定する心原性脳塞栓を予防することは最も重要な課題である。これまで半世紀以上,経口抗凝固薬はワルファリンのみであり,脳梗塞予防効果は高いが,比較的狭い治療域と用量の個人差,食事や他の薬剤の影響,診察ごとの採血による効果チェックなどの問題があり,必要とされる患者に必ずしも十分使用されていない。一方,最近ワルファリンに代わる新しい経口抗凝固薬が開発され,心房細動を対象とした新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant:NOAC)も多剤選択の時代を迎えた。ここでは,主としてNOACのエビデンスに基づく使い分けをどう考えるか,ワルファリンは今後も今と変わらず使用されていくのかについて,循環器内科医の立場からまとめてみたい。