特集1 医療経済評価の日本での活用
4.医療経済評価のためのモデリングとデータ
小林慎
1
1クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社・取締役/医療アセスメント研究部長
pp.2795-2800
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312071
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医療経済評価(費用効果分析)では,現実世界の多様性・関係性を考慮する必要があるため,臨床試験ではなく治療の流れと患者の予後を簡略化して表現したモデルを使ったシミュレーションにより費用対効果を評価することが一般的である。モデルを使うことにより,長期的なアウトカム評価や,複数の状態像やそれらの関係性も考慮した分析が可能となる。また異なる情報源から得られた確率・費用・QOL(quality of life)値などを統合的に扱うことができることも,モデルを利用する大きなメリットの一つである。しかしその一方で,設定するデータにより結果が大きく変わる可能性があるため,データの選択には十分な注意を払う必要があり,また設定したデータの不確実性は必ず感度分析により検証することが必要である。