特集1 医療経済評価の日本での活用
3.PRO(patient-reported outcome)とQOL(quality of life)
下妻晃二郎
1
1立命館大学 生命科学部 生命医科学科(医療政策・管理学)・教授
pp.2789-2793
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312065
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近年,医療技術評価の視点が,「医療現場における有効性と安全性のバランス」の視点から,それらに加えて「社会的な価値の視点」,すなわち医療経済評価の結果を重視する方向に移りつつある。医療の効率性を上げると同時に,公平・公正な医療資源配分方法の確立が必要になってきたからである。そのような背景から,患者の主観的健康観であるPRO(patient-reported outcome)とQOL(quality of life)の測定方法や,その評価の意義にも変化が起こりつつある。それらを十分理解した上で,今後PRO/QOL評価とその応用を進めることが大事であり,本稿では,そのための基礎的知識を概説した。