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第1土曜特集 “かたちづくり” を制御する分子メカニズム
形態形成の理論と進化
血管構造構築の数理モデリング
Mathematical modelling for the formation of vascular networks
林 達也
1
Tatsuya HAYASHI
1
1大和大学理工学部情報科学専攻,中央大学研究開発機構
キーワード:
血管新生
,
VE-カドヘリン
,
楕円粒子モデル
Keyword:
血管新生
,
VE-カドヘリン
,
楕円粒子モデル
pp.73-77
発行日 2024年7月6日
Published Date 2024/7/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290010073
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血管新生は,発芽と分岐により既存の血管から新しい血管を伸長する形態形成過程である.血管新生において,新しく生じた血管の伸長方向ではその先端付近に位置する内皮細胞が次々と入れ替わり,非常に複雑な運動(セルミキシング)を行うことが知られている.しかし,その背後にある原理はまだ明らかになっていない.近年,二次元系におけるin vitroとin silicoによる手法を用いて,細胞接触により亢進される協調的な直線運動および回転運動が血管伸長に寄与する要因であることが特定された.特に,接着分子であるvascular endothelial(VE)-カドヘリンが内皮細胞の運動および血管の発芽・伸長に影響を与えることが示された.さらに,内皮細胞を平面上の楕円で近似したモデルにVE-カドヘリンの効果を取り入れた数理モデルが提案され,VE-カドヘリンの影響を伴う血管形態形成およびセルミキシングが再現された.
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