連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(85)
内服薬に関するインシデント減少を目指した薬袋デザインの変更
安永大輝
1
,
田中亮裕
1
,
松岡綾
1
,
田中守
1
,
荒木博陽
2
1愛媛大学医学部附属病院薬剤部
2愛媛大学医学部附属病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.2673-2677
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311175
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近年,医療安全の推進が積極的に行われているが,病棟における薬剤インシデントを減らすことは容易ではない。愛媛大学医学部附属病院における薬剤インシデントの約半数は,内服薬に関するものである。与薬時において薬袋により調剤過誤が発見されることもあることから,我々は内服薬インシデントにおける薬袋の関与に着目し,内服薬インシデントの要因分析を行った。その結果,インシデント発生防止に薬袋の見やすさが重要な役割を担っていると考えられた。そこで我々は,薬袋のデザインを変更したところ,薬袋関連インシデント数が減少した。印字されている薬剤名,用法・用量の文字が目立つようになったことで,与薬時の注意喚起が行われ,医療安全に貢献できたと考えられる。