巻頭言
インシデントとアクシデント
安藤 亮一
1
1石川記念会
pp.657-658
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000712
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この原稿を執筆する少し前の2023年3月15日,クリミア沖の黒海上空で米国の無人偵察機がロシアの戦闘機と衝突して落下した,という報道があった。ロシアのウクライナ侵攻とそれに対抗する米国の対立がさらに激化するのではないかと危惧された事件である。たまたま,海外版のニュースを聞いていたら,この事故のことを「インシデント」とよんでいるのを聞いた。調べてみると,他の海外の報道も「インシデント」としていた。多くの犠牲者が出た航空機事故はアクシデントとされるのに対して,今回は無人偵察機で,人の被害がないことから,インシデントとされたのでないか,と考えられる。筆者が,報道の「インシデント」にひっかかったのは,透析の医療安全の分野にかかわっている関係である。
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