特集 病棟薬剤業務実施加算の意義と今後への期待
6.大船中央病院における取り組み ~特に安全管理の必要な薬剤のチェックと説明とは~
舟越亮寛
1
ふなこし・りょうかん
1
1社会医療法人財団互恵会 大船中央病院薬剤部・薬剤部長
pp.1495-1501
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201306091
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病棟薬剤業務実施加算で薬剤師を病棟に常駐配置する意義は,ミキシング等の直接的な作業のみを行うためではなく,多職種による安全な投薬プロセスを確立するための薬剤師ならではの薬学的助言,管理,チェックなどを日常的に実施するためのものである。特に病棟専任の薬剤師が行う業務では,安全管理が必要な医薬品等を投与前に患者または家族へ説明することや,その流量または投与量を計算することが重要である。いわゆるムントテラピーやインフォームドコンセントへの参加と,医師から看護師への指示についても薬剤師がチェックすることで,「医療安全の向上」,「患者満足度の上昇」,「医師および看護師の負担軽減」が達成される。今後は,本邦での臨床薬剤業務が医療の質評価のみに留まらず,経済的な評価も行われるよう期待する。