連載 感染症新時代—病院はどう生き抜くか・9
大船中央病院・須藤博院長インタビュー
堀 成美
1
,
須藤 博
2
Narumi Hori
1
,
Hiroshi Sudo
2
1国立国際医療研究センター国際診療部
2大船中央病院
pp.550-553
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211457
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新型コロナウイルスの国内流行が始まった当初,「自分たち(の病院)は直接は関わらないだろう」と考えた医療関係者は少なくなかった.新しい感染症がどうなっていくのか見えにくいという理由もあったが,選べるのだとしたらできれば受け入れをせずにすませたい,困難要素を避けようというのは自然なリアクションである.しかし,「うちは診ない病院」とすることで生じるリスクがあるのも事実である.実際に症例が発生した際にどうするのかの体制が整わない,スタッフの意識が高まらない,知識のアップデートがされにくい.その結果として院内感染が起きたり,標準的な医療の提供や医療安全の確保が難しくなることがある.これは結核やHIV感染症の医療で経験していることである.
実際,自治体が受け入れ体制を作る際に初期から積極的に手を挙げた病院ばかりではない.本号では,初期から「発熱患者を受け入れる」「病院や患者を感染からも風評被害からも守る」体制を整え,さまざまな補助金を活用して「最終的には黒字」が見込まれる病院の経験を紹介する.
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