特集 てんかんの新治療戦略と課題
2.抗てんかん薬治療の現状と展望
荒木保清
1
,
井上有史
2
1独立行政法人 国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター
2独立行政法人 国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 院長
pp.1273-1277
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305071
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新たに発病したてんかん患者に対して,発作型に合った標準的抗てんかん薬で約7割の患者は寛解する。しかし,残りの3割は多剤併用療法を含む薬物治療でも発作は抑制されず,有効で安全な新規抗てんかん薬の開発が待たれてきた。日本国内においては,2006年のガバペンチン登場以降,次々に新規抗てんかん薬が承認・発売され,実地医療の現場でも使用されるようになった。これに伴い,2010年には新規抗てんかん薬を用いたてんかんの薬物治療ガイドラインが作成された。また現在,海外で承認・発売されている薬剤の本邦での使用が,近い将来期待されている。今回それらを踏まえ,抗てんかん薬の現況 と今後の展望について述べる。