Japanese
English
特集 心房細動をめぐって
抗不整脈薬療法の現状と展望
The Present and the Future of Antiarrhythmic Drug Therapy in Atrial Fibrillation
杉 薫
1
Kaoru Sugi
1
1東邦大学大橋病院第三内科
13rd Department of Internal Medicine, Toho University School of Medicine, Ohashi Hospital
pp.251-258
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901861
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はじめに
心房細動の治療方針は洞調律に戻らない慢性ら房細動(chronicまたはpermanent1))と,洞調律に戻ることができる発作性心房細動(paroxysmalまたはpersistent1))により異なっている.慢性心房細動では一般に除細動できることは稀なので,心拍数増加による心不全状態の改善・予防と塞栓症予防に重点がおかれる.それに対し発作性心房細動においては塞栓症予防のための抗塞栓症薬の投与と心不全予防のほかに,心房細動の早期停止(除細動)と再発予防にも主眼がおかれる.心房細動の再発予防のためにはアルコール摂取や疲労,不眠,ストレスからの回避が重要であるが2),頻回に心房細動が生じる場合には抗不整脈薬投与を要する.一方,除細動には抗不整脈薬あるいは直流通電が用いられる.除細動目的で抗不整脈薬療法の適応となるのは自然に停止する心房細動をより早期に除細動する場合と,自然には停止しない心房細動でも抗不整脈薬で除細動できる場合である1).
本稿では心房細動に対する抗不整脈薬療法の現伏について概説し,今後の抗不整脈薬療法のあり方を展望する.
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