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特集 インフルエンザの最新知見 ~鳥,パンデミックと季節性インフルエンザ対策をどうするか~
10.抗インフルエンザ薬の現状と展望
Anti-influenza drugs
齋藤玲子
1
,
近藤大貴
2
,
日比野亮信
2
,
八神錬
2
,
菖蒲川由郷
3
Saito Reiko
1
,
Kondo Hiroki
2
,
Hibino Akinobu
2
,
Yagami Ren
2
,
Shobugawa Yugo
3
1新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学教室(公衆衛生) 教授
2新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学教室(公衆衛生)
3新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学教室(公衆衛生) 准教授
キーワード:
M2阻害薬
,
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
RNAポリメラーゼ阻害薬
,
抗インフルエンザ薬耐性
Keyword:
M2阻害薬
,
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
RNAポリメラーゼ阻害薬
,
抗インフルエンザ薬耐性
pp.96-102
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201412096
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わが国では抗インフルエンザ薬として,M2阻害薬,ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬,RNAポリメラーゼ阻害薬が認可されている。M2阻害薬,NA阻害薬はともに1~2日間の有熱期間の短縮効果があるが,耐性株の出現が問題となっている。現在,ヒトに感染する,A/H1N1pdm09, A/H3N2, A/H7N9はすべてM2阻害薬に耐性である。NA阻害薬については,A/H1N1でNAタンパク275位の変異による耐性株が出現しやすい。わが国では2013-2014年シーズンに札幌を中心にA/H1N1pdm09耐性株の地域流行がみられ,注目を集めている。2014年,世界に先駆け,RNAポリメラーゼ阻害薬のファビピラビル(アビガン®)が条件付きで承認となった。今後も新規薬剤の開発が進むものと考えられる。