特集 最新の免疫学 ~自然免疫・獲得免疫~
5.アレルギーとサイトカイン
安田好文
1
,
中西憲司
2
1兵庫医科大学免疫学・医動物学
2兵庫医科大学免疫学・医動物学 主任教授
pp.683-687
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201302103
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上皮細胞由来サイトカインのうち,IL(interleukin)-18はバクテリア成分(黄色ブドウ球菌プロテインAやLPS〔lipopolysaccharide〕)の刺激によって産生され,Th(T helper)1細胞からIFN(interferon)-γ産生を増強するのみならず,Th2サイトカインを産生誘導することでアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状を引き起こす。またIL-33は,花粉やキチンなどによって産生され,Th2細胞だけでなく肥満細胞,好塩基球,好酸球などのエフェクター細胞にも働いてTh2サイトカイン産生を増強し,アレルギー症状を増悪している。これらのサイトカイン動態制御は,アレルギー疾患治療に重要である。