連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識 (2)
アレルギー反応におけるサイトカインの関与
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.708-715
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201605096
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サイトカインはⅠ型アレルギーにおいてもさまざまの局面で重要な役割を果している。IL-4,IL-13はB細胞のIgE産生を補助する。IL-4は直接に,TSLPは樹状細胞を介してTh2細胞(B細胞のIgE産生を補助する)の分化を導く。TSLP,IL-18,IL-33は好塩基球に対しIL-4,BAFFを産生させCD154を表出させてB細胞のIgE産生を補助させる。IL-33,IL-3とIL-18はマスト細胞から化学伝達物質を放出させる。IL-3,IL-4,IL-9はマスト細胞を増殖させる。マスト細胞の産生するIL-9,IL-13は粘液の分泌をもたらす。マスト細胞は好酸球,Th2細胞,好中球,マクロファージなどを集積させ活性化するサイトカインも産生し,それらの細胞を反応に参加させる。