特集 アレルギーとインターロイキン 最近の進歩
Ⅴ.Th17サイトカインとアレルギー
中島裕史
1
,
廣瀬晃一
2
Hiroshi Nakajima
1
,
Koichi Hirose
2
1千葉大学大学院医学研究院アレルギー・臨床免疫学教授/千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科
2千葉大学大学院医学研究院アレルギー・臨床免疫学准教授/千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科
pp.1506-1512
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201611046
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重症喘息患者の気道では好酸球の浸潤に加え,好中球の浸潤とIL-17Aなど炎症性サイトカインの産生が認められる。近年,新たに発見されたヘルパーT細胞分画であるIL-17産生性T細胞(Th17細胞)に関する研究が進展し,喘息の重症化にTh17細胞が関与していることが示唆された。さらに最近,IL-17を産生する自然リンパ球(ILC3)が肥満関連喘息の病態に関与していることが報告された。本稿では,アレルギー疾患,特に気管支喘息におけるTh17細胞関連サイトカインの役割について,我々の研究結果を交え概説する。