増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
XI.細胞免疫
5.サイトカイン
笠原 忠
1
1自治医科大学医動物学
pp.365-367
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901997
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■サイトカインとは
サイトカインとはリンパ球や単球・マクロファージ(Mφ)が産生する蛋白質で,種々の細胞に対し増殖・分化作用を示す因子の総称である.サイトカインはリンパ球や単球だけでなく,血管内皮細胞や上皮性細胞,線維芽細胞などからも産生される.主なサイトカインを表に示した.代表的なサイトカインであるインターロイキン(IL)にはIL-1〜IL-13まであり,多くはTリンパ球が産生する因子であるが,単球・Mφから産生されるものもある(IL-1α/β,IL-6,IL-8など).ILは蛋白質として精製され,遺伝子がクローニングされた順に番号が付けられてきたため,その活性や機能とは直接関係がない.したがって初心者にとってIL-1,IL-2,IL-3,……などの性質と機能を理解することは容易でないであろう.この点コロニー刺激因子(CSF)やインターフェロン(IFN)あるいは腫瘍壊死因子(TNF)のような因子のほうが,その名称の意味から機能が理解しやすいかもしれない.
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