特集 Calcimimetics の新しい展開
6.エボカルセト
濱野 直人
1
,
深川 雅史
1
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
キーワード:
エボカルセト
,
calcimimetics
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
消化管関連有害事象
Keyword:
エボカルセト
,
calcimimetics
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
消化管関連有害事象
pp.289-294
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000157
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)に対するシナカルセト治療はさまざまなベネフィットが報告されているものの,嘔気や食思不振などの消化管関連有害事象(GI-related AEs)により内服アドヒアランスが低下することが問題として残っている.エボカルセトは新たに開発されたcalcimimetics で,基礎実験において胃内容排泄遅延とCYP の阻害がシナカルセトと比較して軽減されていることが示された.これをもとにSHPT を有する維持透析患者に対して第Ⅲ相試験としてシナカルセトとの直接比較試験を行った.エボカルセトのPTH 抑制効果はシナカルセトと統計学的に同等であり,GI-related AEs はシナカルセトよりも軽減されており,低Ca 関連有害事象はシナカルセトと同等であった.一方で経口製剤であるため,GI-related AEs の改善によって長期的に服薬アドヒアランスが改善するかどうかについては不明である.さらにエボカルセトがSHPT を有する維持透析患者の臨床的アウトカムを改善するかどうかについては今後の研究を要する.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.