特集 透析スタッフにとっての腎移植―直面する臨床的課題
4.腎移植前後の患者管理(5)副甲状腺機能亢進症の管理
濱野 直人
1
,
深川 雅史
2
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
キーワード:
副甲状腺ホルモン
,
血管石灰化
,
二次性副甲状腺機能亢進症
Keyword:
副甲状腺ホルモン
,
血管石灰化
,
二次性副甲状腺機能亢進症
pp.1701-1707
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000267
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
二次性副甲状腺機能亢進症(二次性HPT)は腎不全をきっかけとして発症し,保存期・透析期・移植後すべてにわたって電解質異常,骨病変,血管石灰化などの骨ミネラル代謝異常を引き起こす.しかし移植後に腎機能が改善しても必ずしもHPT が改善するわけではなく,遷延する症例が存在する.腎移植前の二次性HPT は移植後遷延性HPT のリスクであり,移植前のHPT 治療が重要である.遷延性HPT は移植レシピエントの生命予後悪化,グラフト予後悪化と関連することが報告されている.PTH 値を低下させ,骨ミネラル代謝異常を改善し,ひいては生命予後を改善するためにも副甲状腺摘出やカルシミメティクスといった治療を考慮する必要がある.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.