特集 骨粗鬆症リエゾンサービスの現状と未来
1.骨粗鬆症による医療経済的負担増に対する軽減対策─ リエゾンサービスの活用の必要性
太田 博明
1
1国際医療福祉大学、山王メディカルセンター女性医療センター
キーワード:
骨粗鬆症
,
大腿骨近位部骨折
,
費用対効果
,
骨粗鬆症リエゾンサービス
,
長期的管理
Keyword:
骨粗鬆症
,
大腿骨近位部骨折
,
費用対効果
,
骨粗鬆症リエゾンサービス
,
長期的管理
pp.95-100
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000112
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高齢化率の上昇と後期高齢者数の増加が進展するわが国において,骨粗鬆症性骨折の減少は喫緊の課題となっている.骨折による医療経済的負担軽減のために,骨折例には的確な診断と適切な薬剤介入が必要である.それには日本骨粗鬆症学会が取り組むOLS-7 にて骨折リスクを評価しつつ,骨粗鬆症連携手帳を用いた循環型連携である骨粗鬆症リエゾンサービスシステムの導入と全国展開が不可欠である. わが国の骨粗鬆症の治療率は25 %といわれるが,近年の薬剤治療により70~90 代女性における大腿骨近位部骨折は約4,000 例の減少が認められ,約250 億円の費用対効果が試算されている.長期にわたって骨の健康を守り,bone attack といわれる一次骨折や二次骨折を回避して,自立した晩年を過ごすためにはリエゾンサービスと長期的管理が欠かせない.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.