発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011306517
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43歳女。37~38℃台の発熱、咽頭痛の出現で受診した。軽度の肝機能障害、また咽頭発赤を認めるが、扁桃腺の腫大なく、頸部リンパ節および肝脾は触知しなかった。血液学的検査では、白血球増多、Epstein-Barrウイルス(EBV)は既往感染、CMV IgM抗体陽性で、IgG抗体は陰性であった。蛍光抗体法(FA)によるHHV-6 IgM抗体は陰性、HHV-6 IgG抗体は陽性(16倍)であった。投薬は行わずに経過観察とし,受診後5日に自覚症状は軽減、5週間後に肝胆道系酵素は正常化して異型リンパ球は消失した。CMV IgM抗体は陰性化し、IgG抗体は陽性化した。HHV-6 IgM抗体は陰性のままで、HHV-6 IgG抗体価は2560倍であり、外来初診時の16倍の上昇が認められた。以上の所見から、HHV-6の再活性化を伴ったCMV初感染による伝染性単核症と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011