『早期大腸癌』からの20年、『INTESTINE』からの今後20年
[腫瘍分野]大腸鋸歯状病変 現状と将来展望
長田 修一郎
1
,
鶴田 修
,
河野 弘志
,
前山 泰彦
,
永田 務
,
向笠 道太
,
秋葉 純
,
光山 慶一
,
鳥村 拓司
1久留米大学 医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
Methylrosanilinium Chloride
,
Indigo Carmine
,
大腸内視鏡法
,
大腸ポリープ
,
大腸腫瘍
,
腸粘膜
,
発癌
,
色素内視鏡法
,
腺腫-鋸歯状
Keyword:
Colonic Polyps
,
Colonoscopy
,
Indigo Carmine
,
Gentian Violet
,
Intestinal Mucosa
,
Colorectal Neoplasms
,
Carcinogenesis
pp.25-34
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016150288
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大腸鋸歯状病変は病理組織学的にはHP(hyperplastic polyp),SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp),TSA(traditional serrated adenoma)の大きく3種に分類するのが一般的である.SSA/PはHPに類似するが構造異型や細胞異型を有する点でHPとは異なり,右側結腸のMSI陽性大腸癌の前駆病変の一つである.SSA/Pの内視鏡診断には拡大内視鏡所見における開II型pitやNBI拡大観察におけるVMV(varicose microvascular vessel)などが有意な所見であるとされている.SSA/Pについて,内視鏡的治療を行うべき病変の基準については定説がなく,臨床的に重要な課題である.SSA/Pの一部に管状腺腫様構造やTSA様構造が発生することが知られており,WHO分類ではこれらをSSA/P with cytological dysplasiaと表現している.今後はこれらの鋸歯状病変を集積し,癌化率や癌併存病変の内視鏡所見,臨床病理学的特徴,分子生物学的特徴について検討を重ね,鋸歯状病変の本質を明らかにしていく必要がある.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.