小腸の炎症
原因不明慢性炎症性疾患 クローン病 その診断と治療におけるバルーン内視鏡の意義
辻川 知之
1
,
五月女 隆男
,
伊藤 明彦
,
酒井 滋企
,
水田 寛郎
,
馬場 重樹
,
安藤 朗
1滋賀医科大学 総合内科学講座
キーワード:
Crohn病
,
回腸疾患
,
病的狭窄
,
腸粘膜
,
バルーン拡張法
,
小腸疾患
,
小腸内視鏡法
Keyword:
Constriction, Pathologic
,
Crohn Disease
,
Ileal Diseases
,
Intestinal Mucosa
pp.129-134
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015186568
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バルーン小腸内視鏡は1回の経肛門挿入で小腸と大腸が観察できること,さらに生検が可能なことからクローン病の初期診断法に適している.また,内科治療後も粘膜治癒確認のため内視鏡検査の必要性が高まっている.ただし,潰瘍や引きつれに伴う腸管変形のため深部への挿入は無理をせず,逆行性回腸造影も併用する.腸管合併症で頻度の高い小腸狭窄に対して,バルーン内視鏡下のバルーン拡張術は腸管切除術を回避できるため有用であるが,再拡張を繰り返さないように内科治療の工夫も重要である.一方,狭窄のないクローン病小腸病変の診断や治療効果判定などは今後侵襲のないカプセル内視鏡へ移行すると予想される.
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