特集 こんなにある薬剤性消化管傷害
薬剤性消化管傷害の現状と今後の展望
山本 貴嗣
1
,
阿部 浩一郎
,
小田島 慎也
1帝京大学 医学部内科学講座
キーワード:
Aspirin
,
Warfarin
,
消化管疾患
,
加齢
,
多剤併用療法
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
経口投与
,
消化管内視鏡法
,
リスク
,
血小板凝集阻害剤
,
Dabigatran
,
血液凝固因子Xa阻害剤
Keyword:
Aspirin
,
Drug Therapy, Combination
,
Dabigatran
,
Gastrointestinal Diseases
,
Risk
,
Administration, Oral
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Aging
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Warfarin
,
Factor Xa Inhibitors
pp.852-858
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019312025
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薬剤に起因する消化管傷害は、本邦における消化管出血のおもな原因の一つである。非ステロイド性抗炎症薬や低用量アスピリンによる消化管粘膜傷害が高頻度でかつ服用者が多いことから、臨床的に最も重要である。酸分泌抑制薬による予防の有用性は周知されてきているが、高齢化の進行、併用薬の増加、外用薬のリスクなどが今後の問題点として残されている。さらに近年使用頻度が高まっている抗血栓薬による消化管傷害・出血は、以前にも増して多数経験する状況であり、消化器の臨床において重要度を増している。また免疫チェックポイント阻害薬のように、異なった作用機序により消化管傷害を生じる薬剤が新たに登場するなど、医学の進歩に伴い薬剤性消化管傷害の領域にも変化が生じている。消化器診療に携わる臨床医は、自らが処方する・しないにかかわらず、薬剤性消化管傷害についての正確な知識と適切な対策を講じる能力が求められている。
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