大腸内視鏡治療と抗血栓薬-新ガイドラインの妥当性
抗血栓薬休薬時におけるヘパリン置換
井上 拓也
1
,
阿部 洋介
,
井口 宗威
,
依藤 直紀
,
藤原 薫
,
坂中 太輔
,
能田 貞治
,
柿本 一城
,
岡田 俊彦
,
川上 研
,
竹内 利寿
,
樋口 和秀
1大阪医科大学 第二内科
キーワード:
Heparin
,
Warfarin
,
血栓塞栓症
,
大腸内視鏡法
,
診療ガイドライン
,
休薬
Keyword:
Colonoscopy
,
Heparin
,
Thromboembolism
,
Warfarin
,
Practice Guidelines as Topic
pp.483-486
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022221
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心原性脳塞栓症は発症すると予後不良であり,抗血栓療法を周術期に中止するとその発症頻度が上昇する.このため消化器内視鏡においては,出血低危険度であればPT-INRが治療域を超えていなければ休薬せずに,高危険度であればヘパリン置換したうえでの施行がガイドラインで推奨されている.循環器疾患における抗凝固療法の中止については日本循環器学会からもガイドラインが作成されており,代表的な疾患である心房細動についてはCHADS2スコアが用いられリスクの層別化がはかられ,消化器内視鏡医も理解が必要である.新規経口抗凝固薬であるダビガトランは非弁膜症性心房細動において一貫した有効性と安全性が確認され,使用例の増加が見込まれるが,モニタリング法が確立しておらず,今後エビデンスの蓄積が待たれる.
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