日常遭遇する大腸炎の鑑別-内視鏡を中心に
NSAID起因性大腸炎
二宮 風夫
1
,
久部 高司
,
安川 重義
,
石原 裕士
,
長浜 孝
,
高木 靖寛
,
平井 郁仁
,
八尾 建史
,
松井 敏幸
1福岡大学医学部附属筑紫病院 消化器内科
キーワード:
Behcet症候群
,
Crohn病
,
感染
,
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
大腸炎
,
大腸炎-虚血性
,
結核-胃腸系
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
評価基準
,
大腸炎-コラーゲン蓄積性
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Behcet Syndrome
,
Crohn Disease
,
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis
,
Infection
,
Tuberculosis, Gastrointestinal
,
Colitis, Ischemic
,
Colitis, Collagenous
pp.359-364
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014297881
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近年NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)は,解熱・鎮痛のほかに,抗血栓療法を目的に使用頻度が増加している.NSAIDによる消化管粘膜傷害は上部消化管のみでなく,下部消化管にも発症することが報告されている.NSAID起因性大腸炎は内視鏡像より,潰瘍型と腸炎型に分類され,さらに潰瘍型は膜様狭窄合併の有無により分類される.潰瘍型では右側結腸が好発部位とされ,ハウストラに沿った輪状の境界明瞭な潰瘍を特徴とする.また,腸炎型ではアフタ性大腸炎や出血性大腸炎の所見を認める.ほかの炎症性腸疾患との鑑別に難渋する症例も存在し,診断には詳細な病歴や内服歴の聴取が重要である.
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