日常遭遇する大腸炎の鑑別-内視鏡を中心に
Clostridium difficile腸炎
鈴木 康夫
1
1東邦大学医療センター佐倉病院 内科
キーワード:
Clostridium difficile
,
Clostridium Infection
,
大腸内視鏡法
,
院内感染
,
腸炎
,
腸炎-偽膜性
Keyword:
Clostridium Infections
,
Cross Infection
,
Colonoscopy
,
Enterocolitis
,
Enterocolitis, Pseudomembranous
,
Clostridium difficile
pp.353-358
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014297880
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下痢・腹痛・発熱という非特異的症状で発症する各種腸炎の一つにClostridium difficile(C.difficile)腸炎(Clostridium difficile infection;CDI)がある.CDIはC.difficileが産生する毒素(CD toxin)によって発症する腸炎で,重症例では偽膜性大腸炎と呼ばれる特徴的な黄白色調の偽膜形成が内視鏡で観察されるが,軽症例では非特異的炎症所見のみを呈する非偽膜性大腸炎であり他腸炎との鑑別に注意が必要である.CDIが疑われ非偽膜性所見を呈する場合は,積極的な便中CD toxinの検出によって初めて確定診断が可能になる.CDIにおいては,CDに対する治療法にもまして適正な抗生剤投与やCDI感染防止といった予防法を熟知することが重要である.
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