日常遭遇する大腸炎の鑑別-内視鏡を中心に
カンピロバクター腸炎
藤田 浩史
1
,
長坂 光夫
,
鎌野 俊彰
,
小村 成臣
,
生野 浩和
,
大橋 儒郁
,
遠藤 茂夫
,
柴田 知行
,
小池 光正
,
平田 一郎
1日進おりど病院 消化器内科
キーワード:
カンピロバクター感染症
,
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
Keyword:
Campylobacter Infections
,
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Enterocolitis
pp.365-372
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014297882
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潰瘍性大腸炎(UC)は2008年に10万人を超え,年々増加傾向にある.このうち初回発作型UCが2割弱程度認められるが,一部にUCとの鑑別に難渋するカンピロバクター腸炎(CC)が含まれている可能性が示唆される.今回われわれは初発UCとカンピロバクター腸炎の臨床症状と内視鏡像を比較しその鑑別点について検討し,初発UCと誤診される可能性のあるカンピロバクター腸炎の特徴を検討した.頻回の下痢,発熱があり浅いバウヒン弁上の潰瘍のあるびまん性腸炎で直腸に浮腫が主体の症例はカンピロバクター腸炎を強く疑う必要があると考えられた.またバウヒン弁上に潰瘍を認めない全大腸にびまん性連続性に炎症を認める症例がUCと誤診される可能性があるカンピロバクター腸炎と考えられた.
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