日常遭遇する大腸炎の鑑別-内視鏡を中心に
虚血性大腸炎
柏木 和弘
1
,
細江 直樹
,
長沼 誠
,
井上 詠
,
岩男 泰
,
山口 晃弘
,
金井 隆典
,
今枝 博之
,
緒方 晴彦
1慶応義塾大学 医学部内視鏡センター
キーワード:
Crohn病
,
感染
,
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
大腸炎-潰瘍性
,
大腸炎-虚血性
,
腸間膜静脈
,
腸間膜血管閉塞症
,
腸閉塞
,
発生率
,
静脈血栓症
,
大腸炎-コラーゲン蓄積性
Keyword:
Crohn Disease
,
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Infection
,
Intestinal Obstruction
,
Mesenteric Vascular Occlusion
,
Mesenteric Veins
,
Incidence
,
Colitis, Ischemic
,
Venous Thrombosis
,
Colitis, Collagenous
pp.339-346
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014297878
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虚血性大腸炎は主幹動脈の明らかな閉塞を伴わず,腸間膜動脈の血流減少や,腸管内の微小循環障害によって生ずる可逆的な限局性虚血性病変と定義される.虚血性大腸炎は,排便習慣,動脈硬化などがその成因に関与していると考えられる.診断は血液検査,腹部CT,下部消化管内視鏡,注腸検査などを組み合わせて総合的に行われる.急性期の下部消化管内視鏡は,うろこ状粘膜や縦走する発赤,潰瘍所見が虚血性大腸炎の診断に有用である.出血をきたす急性大腸炎である,抗生物質起因性出血性大腸炎や感染性腸炎のほか,クローン病,collagenous colitisなどを,症状や臨床経過,とくに内視鏡所見から鑑別することが大事である.治療は,壊死型では緊急手術を基本とするが,その他の病型の場合,腸管安静が基本となる.
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