骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症はどのように予防、治療するのか? 薬物療法総論
竹内 靖博
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1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 内分泌センター
キーワード:
Diphosphonates
,
Glucocorticoids
,
Vitamin D
,
骨折
,
骨粗鬆症
,
食品中のカルシウム
,
診療ガイドライン
,
Vitamin K2
Keyword:
Calcium, Dietary
,
Diphosphonates
,
Glucocorticoids
,
Osteoporosis
,
Vitamin D
,
Practice Guidelines as Topic
,
Vitamin K 2
,
Fractures, Bone
pp.471-476
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305744
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骨粗鬆症は単一の疾患概念として理解するよりも、「易骨折状態」という病態として把握するべきものという認識が広まりつつある。現在の骨粗鬆症診療上の問題は、誰を治療するべきか?ということである。骨粗鬆症と診断されたから治療するのか?どのくらいの骨折リスクなら易骨折状態と判定されるのか?易骨折状態と判定されたから治療するのか?治療するとしたらどのような視点で薬剤を選ぶべきなのか?等々、さまざまな問題が検討されている。最近の骨粗鬆症治療の考え方の要点は、以下の通りである。i)骨粗鬆症の治療の目的は骨折予防である。そのために骨密度のみにとらわれることなく治療対象を選択する。ii)治療にあたっては骨折リスクの評価が大切である。よく知られた骨折危険因子(飲酒、喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴など)を確認する。iii)骨折リスクおよび患者の全体像に即した治療薬を選択する。iv)続発性骨粗鬆症のうち、とくにステロイド性骨粗鬆症は骨折リスクが高いので、既報のガイドラインに従って対応する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009