発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015022620
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透析患者の骨折頻度は健常者よりも著しく高く,骨粗鬆症の関与が示唆される症例もある.「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版」の薬物治療開始基準に基づき,CKD-MBDマーカーが管理目標内で,酒石酸抵抗性フォスファターゼ(TRACP-5b)が基準値上限以上である血液透析患者23例を対象に,アレンドロン酸ナトリウム水和物(ASH)注射液の骨代謝への影響を検討した.TRACP-5bは投与前873.2±80.2mU/dlから12ヵ月後540.4±77.3mU/dlとなり,変化率は12ヵ月後-36.4±10.3%であった(p<0.05).ASH投与の効果を骨代謝マーカー変化率と骨折発症危険因子で検討したところ,透析年数15年未満と15年以上に有意差がみられた.ASHの12ヵ月投与において安全性に問題はなかった.骨折予防という観点からも,透析導入早期に投与を考慮する必要がある.ただ,腎排泄の薬剤であり,長期的な副作用を考慮し,投与量・投与期間など今後の検討が必要である.
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