消化管出血に対する診療-JGESガイドラインをふまえて
消化管出血に対するIVRの役割
佐藤 次郎
1
1東京大学医学部附属病院 放射線部
キーワード:
インターベンショナルラジオグラフィー
,
術後合併症
,
消化管出血
,
塞栓術
,
治療成績
Keyword:
Embolization, Therapeutic
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Postoperative Complications
,
Radiography, Interventional
,
Treatment Outcome
pp.289-293
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017145695
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画像下治療(IVR)は保存的治療が困難な消化管出血に対する有力な低侵襲治療である.上部消化管出血では通常,内視鏡での止血困難例に対して行われる.下部消化管出血では造影CTの結果をもってIVRとなることも多い.IVR前に循環動態の安定化と凝固能異常の補正をしておくのが望ましい.血管撮影上出血が確認された場合はマイクロカテーテルによる選択的塞栓が行われるが,活動性出血の所見がみられないことも多い.NBCA(n-ブチルシアノアクリレート)は使用に熟練を要するものの,凝固能異常がある症例でも止血が期待できる.経カテーテル的塞栓術の技術的成功率は高く,合併症は少ないが,再出血に対する複数回のIVRがしばしば必要となる.
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