胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
酸分泌抑制療法の課題と今後 その他の課題 肺炎・骨関節疾患・認知症など
白井 聖一
1
,
前北 隆雄
,
加藤 順
,
北野 雅之
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
胃酸
,
骨疾患
,
心筋梗塞
,
認知症
,
肺炎
,
Proton Pump Inhibitors
,
慢性腎臓病
Keyword:
Bone Diseases
,
Dementia
,
Gastric Acid
,
Myocardial Infarction
,
Pneumonia
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Proton Pump Inhibitors
pp.225-234
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115900
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プロトンポンプ阻害薬は酸分泌抑制療法の中心的薬剤であるが,長期投与におけるさまざまな問題点が懸念されてきた.カルチノイドや大腸疾患以外に,当初は市中肺炎や骨関節疾患なども問題視されていたが,現在,長期投与ではリスク増加にならないと考えられている.最近,認知症や慢性腎臓病との関連,クロピドグレル活性化とは関連のない心血管イベントのリスクなどが報告されているが未だエビデンスとしては不十分である.今後また新たな問題点が明らかとなる可能性があり,新規薬剤であるカリウムイオン競合型アシッドブロッカーの発売に伴い,酸分泌抑制薬のメリットとデメリットを考えて使用する重要性はますます高まると考えられる.
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