胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
酸分泌抑制療法の課題と今後 カルチノイド
佐藤 祐一
1
,
西垣 佑紀
,
水野 研一
,
橋本 哲
,
横山 純二
,
寺井 崇二
1新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
キーワード:
カルチノイド腫瘍
,
Histamine H2 Antagonists
,
胃炎
,
胃酸
,
胃腫瘍
,
Proton Pump Inhibitors
,
高ガストリン血症
,
Vonoprazan
Keyword:
Carcinoid Tumor
,
Gastric Acid
,
Gastritis
,
Histamine H2 Antagonists
,
Stomach Neoplasms
,
Proton Pump Inhibitors
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.213-218
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115898
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プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期投与による胃カルチノイド発生の症例報告は複数されてきたが,最近のシステマティック・レビューによれば,ECL細胞の過形成は認められても,胃カルチノイド症例は1例も認められてはいない.よって,PPIの長期投与による胃カルチノイドの発生はほぼゼロと考えてよいと思われる.また,最近使用可能となった強力な酸分泌抑制薬であるカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の長期投与による胃カルチノイドの発生については,今後の検討を待たねばならない.一方,高ガストリン血症に他の因子が加わって,初めて胃カルチノイドが発生するという説もあり,高ガストリン血症と胃カルチノイド発生の関係については,これからもさらなる検討が必要であろう.
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