胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
胃酸分泌抑制薬 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
木下 芳一
1
,
三上 博信
,
沖本 英子
,
岡田 真由美
1島根大学 医学部内科学講座内科学第二
キーワード:
Aspirin
,
胃酸
,
消化性潰瘍
,
食道炎-逆流性
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
Proton Pump Inhibitors
,
Vonoprazan
Keyword:
Aspirin
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Gastric Acid
,
Esophagitis, Peptic
,
Peptic Ulcer
,
Proton Pump Inhibitors
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.169-175
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115892
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カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であるボノプラザンの臨床使用が始まっている.ボノプラザンはプロトンポンプ阻害薬(PPI)に比較して,経口投薬後の胃酸分泌抑制作用の立ち上がりが速く強力な薬剤である.さらに,酸分泌抑制作用が長く持続するため朝1回の投薬でも夜間の胃内pHを高く維持することができる.このため短期間の胃酸分泌抑制で十分な効果が期待できる疾患の治療においては,有効性が高く安全性にも大きな問題のない優れた治療薬である.一方,本剤を用いて長期の維持療法を行う場合にはPPIでも問題となった長期の胃酸分泌抑制に伴う副作用がより強く現れるのではないかと懸念されている.臨床研究によってボノプラザンの長期使用に伴う懸念事項が解決されていくことが期待される.
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