胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
胃酸分泌抑制薬 制酸薬からH2受容体拮抗薬(H2RA)まで
小泉 重仁
1
,
飯島 克則
1秋田大学 大学院医学系研究科消化器内科学・神経内科学講座
キーワード:
Histamine H2 Antagonists
,
胃酸
,
Cholinergic Antagonists
,
消化性潰瘍
,
食事療法
,
制酸剤
,
Proton Pump Inhibitors
Keyword:
Antacids
,
Diet Therapy
,
Gastric Acid
,
Histamine H2 Antagonists
,
Peptic Ulcer
,
Cholinergic Antagonists
,
Proton Pump Inhibitors
pp.155-159
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115890
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胃酸は消化吸収に重要な役割を果たす一方,消化性潰瘍などの病的因子としての側面も古くからいわれてきた.19世紀,胃酸中和,消化性潰瘍治療のために制酸薬が用いられたが効果は限定的で,難治性潰瘍に対しては外科的治療が主流であった.その後,アセチルコリンを介する副交感神経の作用を遮断して胃酸分泌・胃運動を抑制する抗コリン薬が開発され,広く使用された.H2受容体拮抗薬登場により,消化性潰瘍治癒率は劇的に向上し,胃酸関連疾患の治療は飛躍的に進歩した.プロトンポンプ阻害薬(PPI)登場により,胃酸関連疾患治療薬はPPIが主流となったが,H2受容体拮抗薬はPPIに比べ即効性があり,夜間の胃酸分泌抑制力が強いなどの特性を有しており,現在でも適宜,使用されている.
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