消化器内視鏡の技術革新-開発秘話と次世代内視鏡医療の構築に向けて
技術革新と開発秘話 食道ESD
小山 恒男
1
1佐久医療センター 内視鏡内科
キーワード:
Barrett食道
,
外科用器具
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
腺癌
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Adenocarcinoma
,
Barrett Esophagus
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Surgical Instruments
pp.1339-1343
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016397512
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当初,針状メスで全周切開,粘膜下層剥離を試みたが,出血や穿孔の危険が高いため,剥離の完遂は不可能であった.1999年に,針状メスの先端を1.3mm曲げてHookナイフを試作した.面白いように剥離が可能であり,2000年の秋,JDDWのVTRシンポジウムで発表した.繰り返し学会で発表し論文も執筆したが,縦隔気腫,穿孔などで,ESDが完遂されなかった症例報告も多くみられた.そこで,切開・剥離EMRセミナーを立ち上げ,2003年の10月に第1回目のライブデモを行った.剥離操作をよりsmoothにするためには,剥離面にトラクションをかける必要がある.糸付きクリップによるトラクション法は2002年に学会報告し,「胃と腸」誌に論文としても報告している.このようにして,食道癌ESDは2003年の段階で手技的にはほぼ確立し,2008年には保険収載され,食道表在癌治療の第一選択手技となった.
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