特集 ここが知りたい、表在型Barrett食道腺癌
症例から学ぶ、LSBE由来Barrett食道腺癌のESD(Case 1) 側方進展範囲診断に難渋したLSBE腺癌の1例
小野 陽一郎
1
,
八尾 建史
,
小野 貴大
,
太田 敦子
,
植木 敏晴
,
二村 聡
1福岡大学医学部附属筑紫病院 消化器内科
キーワード:
Barrett食道
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
腺癌
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
狭帯域光観察
Keyword:
Barrett Esophagus
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophagoscopy
,
Adenocarcinoma
,
Esophageal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.1736-1741
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022079010
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50歳代男性。検診の上部消化管内視鏡(EGD)にて逆流性食道炎を伴うBarrett粘膜と、Barrett粘膜内6~7時方向に発赤調を呈する不整な粘膜領域が認められた。当院へ紹介後、初回EGD、生検所見ではLSBE内に発生したBarrett腺癌と診断されたが、側方進展範囲の診断は困難であった。そこで、初回検査から20日後に再度EGDと生検を行ったところ、最終的にBarrett粘膜後壁側を中心に2/3~3/4周性に広がる0-IIb型腺癌と診断された。内視鏡的切除が困難なため、治療は胸腔鏡下下部食道切除、腹腔鏡下胃噴門部切除、胸腔鏡下胃食道胃管吻合術が施行された。その結果、本症例は病理組織学的に平坦な側方進展部が短い異型度の高分化管状腺癌からなり、腫瘍と非腫瘍腺管が混在していたことから、これが範囲診断を困難にさせた要因と考えられた。
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