IBD治療のcritical point-私ならこうする
潰瘍性大腸炎 CMV感染合併の診断と対処法 積極的に診断・治療を行う立場から
松浦 稔
1
,
本澤 有介
,
仲瀬 裕志
1京都大学医学部附属病院 消化器内科
キーワード:
Azathioprine
,
血球分離
,
Steroids
,
サイトメガロウイルス感染症
,
抗ウイルス剤
,
大腸炎-潰瘍性
,
多剤併用療法
,
リアルタイムPCR法
,
Calcineurin Inhibitors
Keyword:
Antiviral Agents
,
Azathioprine
,
Cytomegalovirus Infections
,
Drug Therapy, Combination
,
Colitis, Ulcerative
,
Steroids
,
Cytapheresis
,
Real-Time Polymerase Chain Reaction
,
Calcineurin Inhibitors
pp.661-667
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299264
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サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)感染は潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)にしばしば合併し,とくにステロイドや免疫調節薬投与中の患者や内科的治療に抵抗性を示す症例に多くみられる.UCに合併するCMV感染は増悪因子の一つと考えられているが,UCの病態に関与するか否かは未だ不明である.しかしながら,CMV感染を合併したUC患者の一部には抗ウイルス療法が明らかに奏効する症例が存在し,病態への関与を窺わせる.したがって,UC治療中のCMV感染合併については積極的な診断が必要であり,その治療には腸管炎症の適切な制御と速やかなステロイドの漸減・離脱が重要と考えられる.
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