有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン-内視鏡検診時代の新たなる幕開け
胃内視鏡検診を巡る新たなる展開 内視鏡検診の科学的根拠
河合 隆
1
,
佐藤 丈征
,
桑田 直子
,
八木 健二
,
森安 史典
,
星野 澄人
,
土田 明彦
1東京医科大学附属病院 内視鏡センター
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胸部X線診断
,
死亡率
,
集団検診
,
精度管理
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Gastroscopy
,
Mass Screening
,
Mortality
,
Stomach Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Early Detection of Cancer
pp.139-142
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164619
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日本において,胃がん検診といえば,X線検査を受けるのが当然であった.それはバリウムによるX線検査が安全で,広く普及し,二重造影法という精度の高い撮影方法,さらには読影を含めた診断体制が確立されていたためである.当初胃カメラは,患者の苦痛も強く,難しい精密検査であった.その後内視鏡機器の進歩により,胃内視鏡検査はクリニックをはじめ,多くの施設にてスクリーニング検査として広がった.早期胃癌などの小さな病変の発見は胃内視鏡検査がX線検査に比べ勝っていたが,胃内視鏡検査による死亡率減少効果が証明されておらず,胃がん検診には長い間推奨されなかった.2000年以降に新潟市,鳥取市,長崎県上五島,韓国にて内視鏡検診が行われ,データを国立がん研究センターの先生方とともに解析し胃癌の死亡率減少効果が証明され,今回の推奨に至ったと思われる.
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