カプセル内視鏡の現況と最新動向
パテンシーカプセル 臨床応用に関する新たな展開
中野 誠
1
,
岡 志郎
,
田中 信治
,
井川 敦
,
國原 紗代子
,
上野 義隆
,
茶山 一彰
1広島大学病院 内視鏡診療科
キーワード:
Crohn病
,
病的狭窄
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡法
,
小腸内視鏡法
,
長期投与
,
パテンシーカプセル
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Constriction, Pathologic
,
Crohn Disease
,
Capsule Endoscopy
pp.1639-1646
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016118519
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PillCamパテンシーカプセル(PPC)の目的は,小腸狭窄が疑われる症例に対するカプセル内視鏡(CE)前の小腸開通性の確認である.これまでクローン病(CD)に対するCE前のPPCに関してはその安全性が報告されているが,非CD患者に対するPPCの適応基準や安全性に関する報告はほとんどない.当科では非CD患者17例に対してPPCを施行した.検査動機としては,小腸壁肥厚7例(41%),腹部手術歴5例(29%),NSAID長期内服3例(18%),腸閉塞の既往2例(12%)であった.PPCを施行した非CD患者の5例(29%)でPPCによる小腸開通性が確認できず,うち小腸壁肥厚2例,NSAID長期内服1例,計3例(18%)に小腸狭窄を認めた.非CD患者における小腸精査において,小腸壁肥厚やNSAID長期内服症例においてはCE前のPPCが必要と考えられた.
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