進行肝細胞癌の治療戦略
肝外転移をもつ進行肝細胞癌の治療と成績
内野 康志
1
,
建石 良介
,
小池 和彦
1東京大学 大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
肝細胞癌
,
骨腫瘍
,
リンパ行性転移
,
脳腫瘍
,
肺腫瘍
,
副腎腫瘍
,
生存分析
,
治療成績
,
肝動脈塞栓術
,
Sorafenib
Keyword:
Adrenal Gland Neoplasms
,
Bone Neoplasms
,
Brain Neoplasms
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Sorafenib
pp.1095-1101
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015304282
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肝細胞癌に対する治療は進歩したが,肝外転移症例の予後は現在も不良である.ソラフェニブは進行肝細胞癌に対する予後延長効果が証明された唯一の治療であるが,その効果は満足のいくものではなく,肝内および肝外病変に対し集学的治療が行われる場合も多い.肝外転移に対する局所療法として,肺,リンパ節,副腎転移の切除,骨,脳,リンパ節,副腎転移に対する放射線療法などの報告がある.われわれの検討では予後規定因子として,肝内病変の制御とperformance statusが重要であり,肝内病変が制御され,肝予備能やperformance statusが良好な症例に対しては集学的治療を検討してよいだろう.しかし,こうした集学的治療のエビデンスは十分ではなく今後も検討が必要である.
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