発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105423
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同時性遠隔転移を伴う非小細胞肺癌の手術適応について検討した.対象は,1989~2004年までに切除した非小細胞癌920例中の同時性遠隔転移と診断された20例(男性18例,女性2例・平均年齢63.5歳)であった.1)組織型は腺癌14例,扁平上皮癌2例,大細胞神経内分泌癌2例,大細胞癌,多発癌各1例であった.2)遠隔転移部位は対側肺5例,同側他肺葉・脳各3例,両側他肺葉・骨各2例,結腸・腎・副腎・肝・脳+副腎各1例であった.3)原発巣手術は肺葉切除8例,肺摘除・区域切除各3例,二葉切除・肺切除+部分切除・部分切除各2例で,転移巣の局所治療は切除6例,放射線治療5例,化学療法8例,無治療5例であった.4)全体の平均生存期間は640日で,1年生存率48%,2年生存率11%であった.他肺葉転移の1年,2年生存率,平均生存期間は78%,23%,1061日,肺外転移では20%,0%,219日で両群間に有意差を認め,遠隔転移も含めた完全切除5例では50%,24%,709日,不完全切除15例では46%,6%,617日であった.現在までの生存は3例であった
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