発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140039
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最近15年間の受診患者100857例を対象に、HBs抗原陰性・HBc抗体陽性者の臨床的意義について検討した。HBs抗原陽性は1686例、陰性は99171例で、陰性者のうち8719例にHBc抗体測定が行われた。HBc抗体陽性は2464例で、B型肝炎臨床的治癒と考えられ、年齢別陽性率は40歳未満7.6%、40~59歳15%、60~79歳34%、80歳以上44%であった。免疫抑制薬使用のためHBV-DNAを測定されたのは219例、化学療法施行のためは116例であった。HBV-DNA陽性者には速やかに核酸アナログ製剤が投与され、陰性者は定期的フォローとなった。これら症例のうち、治療中または治療後にHBV-DNAが検出感度以下から陽転化したのは免疫抑制薬群、化学療法群各1例であった。免疫抑制薬・化学療法を受ける患者に対しては、HBV再活性化を考慮した関連マーカー測定の実施が必要と考えられた。
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