肝臓を診る-肝臓病のキモ
免疫抑制薬と抗がん薬の使用に伴うHBV再活性化 寝た子を起こさない!
持田 智
1
1埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科
キーワード:
ウイルスDNA
,
ウイルス活性化
,
肝炎-B型
,
B型肝炎ウイルス
,
抗腫瘍剤
,
保菌者状態
,
免疫抑制剤
,
肝不全-急性
,
診療ガイドライン
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Carrier State
,
DNA, Viral
,
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Immunosuppressive Agents
,
Virus Activation
,
Practice Guidelines as Topic
,
Liver Failure, Acute
pp.1199-1202
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017264385
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HBVは感染すると肝細胞の核内にはcccDNAが残存する.B型既往感染例は免疫抑制・化学療法実施中ないし実施後に,血清HBV DNAが検出され(HBV再活性化),肝障害(de novo B型肝炎)を発症する場合がある.免疫抑制・化学療法を実施する場合は,スクリーニング検査としてHBs抗原とともにHBc抗体とHBs抗体を測定する.B型キャリア例は免疫抑制・化学療法を実施する際に核酸アナログを予防投与する.B型既往感染例では免疫抑制・化学療法実施時にはHBV DNAのモニタリングを行い,20IU/mL以上に上昇した場合は核酸アナログを投与する.de novo B型肝炎は劇症化の頻度が高く,その予後は不良である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017